野暮なくせ

   

 

ぐるりと四方を畑で囲まれた家で育った。

家の周辺には、野放しの赤しそやクンシン菜が大きな顔で生えていた。

食卓には、そんな野菜の炒め物ばかりだったが、

真っ赤に熟れたトマトやおおぶりのスイカ、わっさわっさのほうれん草の味なんかも当然憶えている。

子供に食べさせなければいけないのだから、親が野菜を育てたのは当たり前で、

花なんて生垣がわりに植えられたハイビスカス以外は、

小学校の花壇のキンセンカを鮮やかに憶えているぐらいだった。

 

そんなわたしが花を育て始めたのは、中学校に入って間もなくだったと思う。

当時の担任の先生が、1人一鉢で小菊を育てさせた。

小枝から挿し芽して根を出させ、芽つみしながら枝を分岐、株を丸くふんわりと仕上げていく手法に夢中になった。

学校だけの一鉢では飽き足らず、甥っ子の飲んだ粉ミルクの空き缶に穴を空けて鉢をつくり

家の庭でどんどん菊を増やしていった。

 

面白いと思った。

育てる喜びをこの時に知ったのだろう。

それからは、花の種を買ってもらい庭の土を耕して花壇にしていった。

田舎だ、土は嫌というぐらいあった。

シソが生えていたところに松葉ボタンの花が咲くようになり、

ひまわりが大きく花を開いた。

親に何か言われた記憶がないので、わたしのすることを黙って見ていてくれたのだろう。

わたしの周りの植木鉢は、減ったり増えたりを繰り返しながら40数年を経て今がある。

 

大きいのや小さいの、わたしの傍にはいつも花があった。

お腹が空いてパンを買い求めるように、心淋しい時に花に手が伸びた。

 

花でお腹が膨らむわけではないのは当たり前だからか、花を買う時に何かと理由をつけつつ。

そんな野暮な癖はいつからついたのだろうかとつい苦笑いも出てくる。

 

でもそれでいい。

言い訳をしながら、今や自称「トトロの森」で花や小さな野菜達と戯れている。

そんな日々だ。

 

私信

メーセージを寄せてくださった方へ。

大変嬉しくありがたく拝見させていただきました。

わたしは、道端の石ころにも似たものでころころ何処にでも転がっている人です。

でも、やっぱり泣いたり笑ったり怒ったり・・・当たり前に普通の感情を持った生身の人間です。

ですから、「見ています」と呼びかけられると涙が出るほど嬉しいです。

このブログは、日々のつまらない出来事を書き綴っているだけですが、

ブログがあってよかったなあと思える瞬間を頂き感謝しています。

今後ともよろしくお願いします。

「風の色」ブログ主より

 

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