娘であり母であり

   

 

今日は5月19日。

気が付けば前回のブログ更新から随分日にちが経っている。

多忙でと言ってみたい気もするが、残念ながらそうではなく、

ただ何となくパソコンを開かない日があったり、開いてもすぐに閉じてしまったり。

更新するエネルギーをどこかにしまいこんだまま、引き出す元気がなかった。

ただの無気力と思うが無理に五月病を気取ってみるのもいい。

 

そんな淡々とした日常などお構い無しに、

時が経過していけばそれだけでトマトは小さな可愛い実を付け、

ピーマンはぐんと背を伸ばしていく。

きゅうり、ごーやは弦を絡ませ立ち姿勢を保つようになった。

 

とにかく五月の植物の勢いは凄い。

3歩進んで振り返れば5センチは伸びているかもしれない。

勝手に五月に「病」なんて文字をつけてしょぼくれているのは、

人間様だけだと文句を言われそうだ。

 

それならばと、紫陽花を大きめの鉢に植え替え、

間延びし始めたビオラの花ガラ摘みに興じたり。

時間があれば潤いを求めてホームセンターへ自転車を走らせては、

餌付けされている野良猫のあくびを見に行ったりしていた。

 

 

去った日曜日は母の日だった。

ネットでカーネーションを買い田舎の母へ贈り、当日には電話をかけた。

 

久しぶりに聞く母の声はとても元気だった。

母は、いつも電話口で自分の近況をノンストップで話す。

次に田舎は皆元気だから心配要らないと必ず言う。

そして例のごとく、「子供達は元気か」とこちらの様子を気遣い、

「ちゃんと暮らしているか」

と50代半ばのわたしなのに、まるで社会人一年生にかけるような言葉をかけてくる。

いつまでも心配の種になっているんだなあと苦笑しながらも、

母親のしっかりとした口調に安堵し電話を切った。

 

空は気持ちよく晴れていた。

5月の第二日曜日、この日は娘のピアノの発表会でもあった。

小さなコンサートホールで開かれるアットホームな発表会。

今年社会人になった娘がピアノを始めたのは4歳の頃。

今年は、何回目の発表会になるのだろうか。

感傷的にいくつもの思い出が蘇った。

 

前回の発表会はおととしの11月だったろうか。

ピンクのロングドレスにしわしわの白いボレロを羽織っていた。

当時は、娘達と離れた場所に住んでいた。

「しわしわだよ」

そんな声をかけてやることすら出来なかった。

そのしわがいまだに目に焼きついている。

 

今年の発表会用のドレスは前回と同じもの。

同じ衣装でいいよと本人何のこだわりもない。

だからこそ、今年こそぴんぴんのボレロを着せてやらなくちゃ。

と無駄に自己満足な気合が入っていた。

 

その朝、クロゼットに閉まってあったボレロにアイロンをかけた。

フアッと羽織るだけの薄いボレロにあて布をし低温に設定して、

しわのひとつひとつを丁寧に伸ばした。

たったそれだけのことなのに涙が出てきた。

 

ほんとは全く違うのだけれど、読み残した小説の最期のページをやっと読み終え、

ぱたんと本を閉じた感覚に少し似ているなあと思ってみたりしていた。

 

紙袋にドレスとボレロをたたんで入れ、娘に手渡した。

「ありがとう」

短い言葉が返ってきた。

 

 

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