今、ここに居る。

   

 

昨日の遅い帰宅時。

仕事を終えた重い身体を引きずって自転車をこいでいた。

車はヘットライトを付け家々の窓には灯りが灯り、時々クラブ活動帰りの生徒らしき子らとすれ違う。

空が真っ赤に染まっている以外は、この時間のいつもの風景だった。

 

以前は窓から水平線が見える場所で暮らしていた。

あの頃は、空と海がいつもわたしの隣にあった。

海に面したベランダで雲の行方を追い、運動と称し砂浜を行ったり来たりして過ごす時間があった。

ここへ引っ越した時から波の調べは聞こえなくなり、海と繋がったあの空を忘れていた。

意識的に空を見あげたのは何ヶ月ぶりだろうか。

自転車を道路脇に停め、しばし夕暮れに浮かんだ西の空を眺めた。

久しぶりに会った親しい友人と過ごす他愛無い時間のようであった。

 

何処にいてもわたしはわたしで変わることはないのだが、

周りの風景が変われば、それに手を引かれるように自分も変わっていくのかもしれない。

独り占めしていたあの海は、空は今はどんな調べを奏でているのだろうか。

聴いて見たいと思ったが、もう住んでいない町の風景に会っても、

寄り道だけのよそ者扱いされるかもしれないなあと淋しくなった。

 

休みの朝、蝉の声を布団の中で聴いた。

今日も暑くなるな。

決まり文句の一声を頭の中で発して布団を片付けた。

 

引越し三昧の人生前半があって、

色んな場所を経ての今だ。

わたしの居場所はここ以外にもうない。

ここが全てだ。

 

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