海を見にいく

      2018/05/15

朝は曇っていたが、昼前には日が射し始めた。
そんな日、海を見に行った。
以前から行きたかったのに、やっと出かけることが出来た。
どんだけ出不精かといいたい。
 
電車とバスを乗りついで・・・ちょっとした長旅だ。
車窓からはわさわさと繁った緑色の葉の群れが気持ちよく流れていく。
5月はいい季節だ。
 
片道約3時間の道のりで目的地に到着。
以前住んでいた街だ。
 
あの時と寸分も変わらない風景があたりまえにあった。
だけど、なんだろう。
何かが違う。
いつでも簡単にすっとこの風景の中に自分は入れると思っていた。
なのに、歩いた道も通ったコンビニもよそいき感満載だった。
 
 
 
 

海岸へ行き砂浜を歩いた。

広がる海は、びっくりするぐらい静かだった。
遠目にみるとぴくりとも動かないような海面が延々と広がっていた。
この地で1年余り海を眺めて暮らしたのに、
ザブンザブンという波の音も踏みしめた砂浜の石ころも、
扉ひとつ隔てたどこか遠い世界のもののようだった。
 
 
 
 
 
 
仕方ないね、
もうここには住んでいないのだし・・・
 
 
だけど、残してきたものがある。
建物の裏手に周った。
親の介護の為に田舎に戻ると決めた時に、
ベランダで育てていた鉢花の殆どをそこに移し変えた。
あじさい、ラベンダー リンドウ・・・等など。
 
 
あの花達は元気にしているだろうか。
ばさりと抜かれていたらどうしよう。
ずっと気になっていた。
少しでも株があれば、出来るなら掘り起こして持ってこよう。
リュックの中をからっぽにして新聞紙と買い物袋を沢山忍ばせて出かけたのだ。
 
 
我ながらドキドキしてくるではないか。
ぐるりと曲がれば・・・・
 
 
 
 
 

あった。
こんなに大きくなって。
あじさいもラベンダーも・・・・
剪定の手が入った様子はまるでなかったけれど元気そのものだった。
嬉しかった。
何年も会わなかった友と再開する気分ってきっとこんな感じじゃん。
 
周囲を雑草を刈り取る作業の時でもちゃんと紫陽花とラベンダーはよけてくれてたようだ。
ありがたかった。
 
これね、わたしが植えたんだよ。
誰これ構わず言いたかった。
植えっぱなしでほったらかしで離れたのに、ここでしっかり根づいて生きていた。
 
連れて帰ろうとはなんとおこがましい考えを持っていたのだろうか。
リュックに忍ばせた新聞紙も買い物袋も何の役にもたたなかった。
 
この街の海も風も育てた植物も、日々の中で淡々とわたしを通り過ぎていく。
時のながれとは、案外こういうものなのかもしれないなあと思った。
 
 
 
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