焦ってどうする。
2017/03/18

初出勤の昨日、
勤務する場所が不確かという不安材料をかかえていたので、2時間前に家を出た。
さほど風のない曇り空でベージュ色の空気が優しかった。
自転車をこぎながらここにたどり着くまでの道のりが浮かんだ。
何度も曲がり角に立ちその度に、
「これでいいのか」
「これは正しいのか」
と呪文のように唱え決断しての今がある。
うるうると悪い癖が起きそうだった。
気が付くと唇をぎゅうと噛んでいて、
せっかくつけた口紅がはげるぞと言い聞かせた。
ところが・・・
目的の場所・・・
やっぱりない。
にわかに不安が増し、優しく感じた風景がどよんできた。
心臓がどきどきしてくるのがわかった。
すれ違う人に聞いても、無理だろうことは前回で承知していた。
どうしよう・・・
その時、交番が目に入った。
一目散に交番を目指し道を尋ねた。
おまわりさんの親切さには頭が下がった。
探して探してなかった場所から、ひとつ筋が違ったところにくっきりと立つ真新しい建物。
何もかもか新しいのにやっと出会えた古い友人がそこで佇んでいる気がした。
研修初日は、やっぱり自己紹介で始まった。
同年齢らしき人は2人居て全体的に皆若かった。
30代40代がメインだろう。
そして一応に転職組みだった。
現場未経験は恐らくわたし一人だろう。
新規のオープニングスタッフとはいっても、経験の差は埋めるのは簡単ではない。
年齢的にも職歴からも性格の面からも、自分が最大のリスクを抱えてのスタートである事を自覚した。
だからなんだというのか。
わたしは、ここで頑張るんだ。
ここで生きていくんだ。
絶対に・・・。
気負いすぎているのがわかった。
そんなに焦ってどうするんだとひややかに言い放つわたしが居た。
でも、そうでも思わなければ、ばたっと倒れてしまいそうな
不安定な心もちをどうしようもなかった。