夫のその後

昨年夫は「60歳退職宣言」をした。

再雇用の手段を選ばないという。

年金受給の64歳までの無収入期間をどう乗り切るかというのが懸案事項で、

「これぐらいの貯金があれば退職金で繋いでいけるか」

とよく聞いてきた。

 

それに対して妻なるわたしの答えは、

「いいんじゃない。なんとかなるものだよ」

長い間、働いてきたのだから本人が希望するのであれば、

時間に縛られない自由さを得るのもいいと思っていた。

 

生活の要である夫退職後のゆとりある生活をするのにはいくら必要か。

そんな試算もよく目にする。

 

ゆとりある生活って一体どんな生活なんだろうか。

わたしにはピンと来ない。

ゆとりある生活をお金で換算するのはどうよと思う。

それこそ千差万別、十人十色というもの。

 

 

わたしの今の生活と言えば、

時間があれば、部屋の中でごろごろしているし、ベランダで土を混ぜ合わせているぐらいだ。

たまにホームセンターにでかけたり、

気候のよい季節にお花見ができれば満足する。

ブランド物のバッグや衣装にも興味はない。

デパートやモール等でのショッピングや華やかなレストランでランチというのも

なんだかもったいないと思ってしまう。

貧乏症だ。

けち臭いというかもしれない。

夫定年後にその生活ががらりと変わるとも思えない。

 

今は、たまに帰ってくる娘達のお土産用に

果物やお菓子、非常食なんかを買い置きするのが楽しみだ。

一人分いくらだから三人だと・・・千円単位の買い物でうふふ・・・とほくそ笑む。

 

 

夫が居て子らがいて雨つゆ凌げる屋根があって・・・

固定費はこれでもかという具合にそぎ落とし、

家族が元気であれば全てが花マル。

だから夫が早々に退職しても、彼が充実した毎日であれば全く問題なし。

夫は多趣味であるからその辺は心配ないだろう。

食費ぐらいはわたしのパートで何とかしようではないかという姉御肌な気分も持っていた。

パートから帰ったら夫がそうじをしてくれて、

たまにはご飯を作ってもらおうという下心をもっている。

 

ところが、「やっぱり再雇用で働く」と言い始めた夫。

へえ~なんで?

と尋ねると退職した年の税金が大変だからだそうだ。

嫁入り前の娘が3人もいるし。

やっぱり年金もらえるまでは働くという結論になったようだ。

あらそう?

これまた気が変わるのが早かったものだ。

先々また気持ちが変わるかもしれないが、

夫に対しては好きにしていいよという気持ちは変わらない。

選択肢は多いほどよいということで・・・。

 

 

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