安上がりな女

朝起きるといつも外に出て花や野菜を見る。

収穫できそうなものはちょんちょんと収穫する。

野菜は朝早く収穫すると一番美味しい。

スーパーで販売している野菜や果物でも朝採りは頭1つ抜け出て価格も高い。

となると少しでも美味しい方がいいに決まっている。

で、わたしも真似をしているというわけだ。

この野菜達、

弁当作りの材料にも大活躍だ。

プランターの小さなスペースから、

日々自然の恩恵が受けられるのはありがたい。

 

収穫したら、毎日夫に見せて自慢する。

夫は「すごいじゃん」と言い、ふんふんと頷いてくれるが、

多分、半分以上は右から左に抜けているとみている。

しかし、それは大して問題ではない。

嬉しい事は誰かに伝えて倍増した気分に浸りたいだけ。

 

ある休日、夫がわたしに言った。

「お前は安上がりな嫁だ」

突然と何を言い出す。

しかも、安上がりだとは聞き捨てならない。

一瞬、むっとした。

 

「どうせ安上がりな女ですよ」

憮然としながらもその理由を聞いてみた。

すると、

「休みの日でもどこかへ連れて行けといわないし、外食しようとも言わない」

「服は子供達のお古、高い化粧品を使っているようにもみえない」

「花さえいじらせていたらニコニコと機嫌がいい」

「今更ながらほんと、安上がりな奴だと思うよ」

としみじみというではないか。

 

言ってくれる。

だけど、当たっている。

99パーセントその通りだ。

 

たしかに、高価な服やバッグは要らない。

何より似合わないから。

ショッピングモールの人ごみの中より植物園とか動物園とかの方が落ち着く。

たまの旅行はいいけれど頻繁に出かけようとは思わない。

高い化粧品は・・・欲しいけど元が取れない。

 

幸せというのは形も色も人それぞれ・・・。

お金をかけるのがいいとは限らない。

安上がりな嫁だという表現はいただけないが、夫はそういうことが言いたかったんだろう。

おっしゃるとおり、わたしはここに根を張って、るんるんと安上がりに暮らす。

 

やっと延びてきたガーベラのシミ1つない黄色の花びらが、

うんうんと頷いている気がした。

 

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