考えて考えて・・・考えて。

もうすぐ入院手術をするという方のブログを読んだ。
ご自身の入院の手続きをするために、他人様の手をお借りしたという内容だった。
本来ならば、手術に際しては家族等の付き添いがあってしかるべきなのに・・・
と綴られていた。
わたしは、一人暮らしのそのブログ主さんの心の揺れ具合が痛いほどわかり切なくなった。
ブログ主さん、手術頑張ってください。
届くかどうかわからないエールを送らずにはいられなかった。
おもむろにすぐ上の姉の事を思い出した。
今、わたしはその姉との関係がよくない。
というより、5人姉弟の中で一人だけその姉が離れている状態が1年ぐらい続いている。
原因は、母の介護を巡る弟夫婦とのいざこざだ。
わたしは、帰省するたびになんとか仲を取りまとめようとするのだが根が深く上手くいっていない。
終いには、わたしを裏切り者だと言い出すし、これにはこちらもぶちぎれで・・・
結局、通い合わない気持ちはどこまでも平行線で、
「もう時の解決を待つ以外にないかも」と半分あきらめている状態が今だ。
時を遡る事5年前の秋。
わたしは、一人関西に戻り部屋探しを始めた。
職もない住所も遠方の独身の50女に不動産屋さんは親切にしてくれたが、
大家さんが難色を示す物件ばかりで上手く事は運ばなかった。
半分怪しい人物だったのだろう。
強固な身元保証人を求めてきた。
近くに親戚は無くわたしが頼ったのは、田舎のすぐ上の姉だった。
書類に記入し実印を押し印鑑証明と保証人の所得証明書まで要求されたのを覚えている。
社会的信用がゼロのわたしを、姉は詳しい経緯も尋ねずにすぐに反応してくれた。
遠い南の小さな島とのやり取りは、書き留め速達でも4日かかったが、
姉は自分の仕事を放り出して全力でわたしを優先したのだ。
あの頃の姉のしてくれた事を思い出し、なにそれがあったからといって疎遠になっているわたしは、
恩知らずのアホだとつくづく思った。
なんだかね。
事情も環境も全く異なった内容なのに、他人さまのブログ記事で過去の話を思い出すなんて。
心なしか台風の雨風は弱まってきたけれど、まだまだ雨音は止まない。
時々ポットンと大きなしずくが垂れるのに合わせたみたいに、涙がぽとぽと流れてきた。
どんなことがあっても忘れてはいけない恩ってあるものだよって、雨音に教えられた気がした。
ああ~
どうしよう。
考えて考えて考えて・・・
誕生日でもお中元でもお歳暮でもないけれど、さりげなく唐突に
今自分が一番美味しいと思う果物を贈ろうと思い立った。
というか、もう贈った。ついさっき。
何があっても、わたしは、姉からしてみればたったひとりの妹であるのに間違い無いのだから。