赤い涙

全く身につかないい薬の成分に四苦八苦しながら、登録販売者資格試験の勉強をしている。
中学高校と科学や化学の世界に全く興味がなかったのにいまさらのあれで結構辛い。
無秩序のカタカナをこれでもかとねじ伏せるように丸暗記・・・しているつもり。
ほんとは人体の世界も薬の成分の世界も見事に秩序だった理論で構成されているのだろうけど
そんなものが理解できたら苦労はしない。
力づくで物事を解決しようなんて、これほど効率の悪い仕事もないだろうに。
漢方薬も曲者だ。
満遍なくこなせておれば漢方は捨ててよいとかも聞くが、何度もいうがわたしはそんなレベルではない。
それに最近は漢方薬の需要が高くなっていると巷で聞いたりするからまるっきり無視もできない。
それで一通り目を通してみたが・・・
やっぱりため息もの。
動植物の薬用とする部分や鉱物などをいい、それらを組み合わせて配合したものを
生薬製剤というらしい。
そのうちの動物の薬用部分というのが、半分ホラーの世界だ。
いやいやわたしだけがそうかもしれないけれど。
例えば、解熱鎮痛剤「ジリュウ」はフトミミズ科やその近縁動物・・・
ん??
フトミミズって?
フトミミズの近縁動物って何?
小児鎮静薬や強心薬に用いられる「ジャコウ」はシカ科の
ジャコウジカの雄のジャコウ腺分泌物??。
胃腸薬の「ユウタン」はヒグマの胆汁だという。
さらにびっくりなのは強心薬の「センソ」ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物だし、
ええ~蛙さん??
強心薬「ロクジョウ」は雄の鹿の生えてきたばかりの角・・・
生えてきたばかり・・・?
ミミズにヒグマ、鹿にヒキガエル・・・
・・・・・
どくだみやアロエ芍薬はなじみがあったが、
ヒグマに蛙は、恥ずかしながら知らない世界だった。
人間はほんとに色んな英知を駆使して長い歴史を生きてきているものだ。
京都大学山中教授のIPS細胞もすごいけれど、これもほんとにすごい。
凄いと感心してはご先祖様に感謝の念を新たにし、
覚えられないと泣き言を言ってはいけないと奮い立ったものの、
それとこれとは話が違うと馬鹿なわたしの脳が自己弁護をくりかえしている。
毎日、こんなんでいいのだろうか。
ブログ記事を書き終えて「はて?」と思った。
実は、試験勉強中にあの透明の涙の素は赤い血なのだと知り
「赤い涙」というタイトルでこの記事を書き出した。
「涙は血漿から出来ている」
血液が赤く見えるのは赤血球の中のヘモグロビンによってなので血漿が赤いわけではない。
でも、わたしにしてみれば、血漿も血球もヘモグロビンもみんな血でいい、一緒だ。
人の感情の喜怒哀楽をダイレクトに表現するのが涙かもしれないと思う。
嬉しすぎても悲しすぎても怒り爆発でも涙はでる。
その涙は血であったのだと深く感動した。
その感動を書こうと思ったのに、いつのまにかミミズや蛙になってしまった。
タイトルを変えようかとも思ったが、まあそれも良いかなとそのままで。


