世界旅行並みの妄想

別に競争しているわけではないが、今朝は新聞配達のバイクより早起きした。
時刻は午前3時半。
電気をつけるのもはばかれそうな時刻だが迷わずに起きた。
インスタントのコーヒーを入れ、バナナを冷蔵庫から出した。
夏場のバナナは冷蔵庫に入れておくに限る。
冷たくて美味しい。
昨日の夕方、仕事から帰ってきて野菜達に水をかけていると近所の方が声をかけてくれた。
「上手に育てて」
と思わず頂いたほめ言葉に顔がゆるみ、
20センチ程の長さになった長なす1本と、トマト1個ピーマン5個を収穫して差し上げた。
「ミニトマトも美味しいからどうぞ」
「早めに収穫してやらないと株が弱るらしいんです」
いっぱしのうんちくなんかを並べていい調子だ。
野菜を育てトマトが実を付け出したころ、散歩途中の小さな子が「トマトだ」と
言っていたのを何度か耳にした。
毎朝同じ時間に往復するワンちゃんは無関心だが。
なんてことはない軒下の極小ガーデンに、
蝶が来て蜂が飛び緑のピーマンに真っ赤なトマトが実る。
どうしようもなく暑い今だからこそ、じゃぶじゃぶと水をかけたその場所だけのしっとり感は
さながら砂漠のオアシスみたいだ。
サハラ砂漠どころか鳥取砂丘も行った事はない出不精なのに、
マイガーデンオアシスはいつのまにか世界旅行規模に広がっていく。
そろそろ蝉も起きだす時間だ。
今日も暑いだろうなあ。



