2016年の秋色

自宅から歩いて1時間ほどの距離の山に行った。
山肌に見える竹林は、遠めにはやや褐色を帯びつつあって、
秋が深まっていくのを教えてくれる。
細い山道のそこかしこに、どんぐりが落ちて散らばり、
大きなこがね蜘蛛が、道をまたいだ巣の上でふんぞり返っていた。
山に入る時には、いつもポリ袋を持参する。
小さな木の実やいいものを持ち帰るかもしれないという、貧乏くさい期待感からだ。
それは、小さな使い古しの器だったり、
(花を植えようかとかね)・・・まあそんな類のもの。。
基本生きている物は持ち帰る事はない。
写真を撮って満足する。
植物は、場所を変えると概して上手く育ってはくれない。
もうすこし日のあたる場所へとか土が痩せているだろうからとか、
良かれと思って連れて帰っても、必ずすぐに枯れてしまう。
やっぱり与えられた環境は、そこが100パーセントなのだ。
雑草のごとくたくましく生きる山の植物にはおせっかいな事だ。
ああ、だけどあんなに大きなアケビがたわわに実っているとは。
いっぱいぶら下がっていたのに、
採るのに夢中になって撮るのを忘れた。
持ち帰ったアケビ。
ぱっくりと綺麗に割れた完熟の実。
何の迷いも無くすぱっと天然のナイフでカットされたのだろう、その断面を美しいと思う。
もぎ取った手で、ぱくっとほおばる躍動感。
種をぷしゅっと吐き出すワイルドさとは如何に・・・。
このあたりで時々イノシシが出るとか聞いたが、イノシシ君と食を共にした気分だった。

土手のセイタカアワダチソウは、秋色とも思えない濃い緑色のあでやかさで眩しかった。
実りの秋
ご馳走様でした。