島をはなれる
2017年2月19日

今、飛行機内でパソコンを開いている。
なんと高度一万メートルの空の上でWI-FIが使えるようになっていた。
世の中、わたしが寝ている間も、笑ったり泣いたりしている間も、
日々進化しているなあと感慨深く思ってしまった。
あえて空の上でインターネットでもないのでワード開いてパチパチしているだけ。
文明の利器を使いこなせないのも、使う必要がないのも時代に先を越されているのは
やっぱり間違いない。
ちょっと繋いでみようかなあと、好奇心は大いにあるのだが。
島での最後の一日。
父親の墓参りに行って来た。
地元のスーパーに行き、白いスプレーマムを一束買い求めた。
父親の墓は、畑が見渡せる小高い場所にある。
山らしいものがない島だ。
背伸びをすれば海が見えるのではないかと思ったが、流石にそれは無理だった。
枯れ葉やちょっとしたゴミがくるくると風に舞っている墓の周辺を、
申し訳程度に掃除をしてお線香を立てた。
線香が燃え尽きるのを待ちながら、特に何をするのでもなく、
この石の館の奥に、父が眠っているのだなあと思った。
淋しい気持ちは、いつになってもなかなか薄まらない。
曇り空だが気温は高く着ていた上着を脱いだ。
墓参りを最後に島を離れた。
これから関西に戻る。
晴れているだろうか。
週末にかけて気温が下がると言っていたがどうだろう。
2月19日 日曜日
明日から、また違う日常が待っている。
時は淀みなく、悲しいほどに淡々と過ぎていくものだと沁み沁みと思う。