ひといろをまとい
2017年3月4日

仕事(研修)が終わった夕方6時前、少し遠回りをしてスーパーに寄った。
昨日は、ひな祭りということで店内には
「あかりをつけましょぼんぼりに~♪」
が流れ、雛あられが入り口の一番いいところに沢山並んでいた。
ひなあられも欲しいが、今日の目当ては桃の花。
引越しが決まってから荷物を増やしたくないので、花苗や花鉢を買うのを控えていた。
ゆっくりと店内の花を見ながら、BGMに合わせて口ずさんだりしていた。
菜の花、桜草、マーガレット・・・彩り豊かに微笑む花*花*花・・・
中でもひときわあでやかに目立っていたのがラナンキュラス。
こぶし大に何層も重なって丸まっている花姿が、お雛様の十二単にも見えた。
まだダウンのジャンバーを手放せずにいるこの時期だが、
春爛漫の花売り場に心も身体もぽかぽかしてきた。
眺めるだけ眺め、買い求めたのは桃の花一束のみ。
3月3日、
お雛様を飾ることもなく、甘酒も散らし寿司もなし・・
傍目には淋しい限りの今年のひなまつり。
だけど、桃の花だけは飾りたかった。
わたしの今を、「ひといろ」と言い切りたいほどに桃色をまとったこの花には、
知ってもらいたいと思っていた。
部屋の隅でガラスのコップに挿し、桃一輪の暖かさを満喫している朝。
時間が止まってくれてもいいような気もちになった。