なかなかの頑固者だ。

出勤時、最寄の駅まで自転車を走らせる。

もう12月だ。

7時前の気温は冷たく手袋無しでは、自転車のハンドルは握れない。

昨日はいつにも増してつんとし冷たかった。

むき出しになりつつあるケアキの枝がなんとも寒そうだ。

朝一番で見上げる東の空の朝焼けがやたらと眩しかった。

 

暑くても寒くても年中カラスは元気だ。

濡れ羽色の黒々としたカラスが目の前をするりと横切りカーと鳴いた。

朝のあいさつだろうか。

あちらこちらからカーカーと律儀な返事がきこえてきた。

おやおや人間様よりもよっぽど社会性があるではないか。

 

その昔、歩道を歩いていてカラスに突然頭をつつかれたことがあるのを思い出した。

どうでもいい事だが、

あれ以来カラスを怖いと思わないように強がって見せている。

 

わたしはとあるスーパーの青果部門でパートをしている。

スーパーの入り口の正面に位置する果物コーナーでは、

りんご、柿に梨、クリスマスが近い事もあってイチゴも並び始めた。

果物が豊富な季節で華やかだ。

今は売り場の一番目立つところには「みかん」が並べてある。

「みかん」と言えばやはり一番の産地は和歌山だ。

仕事柄、季節のフルーツを試食する機会が多々ある。

 

二ヶ月ほど前の事だ。

和歌山に「ゆら早生みかん」という品種のみかんがあるが、

これを最初に食べた時に「おいしい」と思った。

その時に書いたブログ記事「考えて考えて・・・考えて。」

 

疎遠になっている姉の事を書いた記事だ。

姉に贈ったゆら早生みかんは、予約商品だった。

ひと月ほどして商品発送のメールが来たので、

姉に「みかんを贈ったから食べてね」

とショートメールで連絡した。

姉が受け取ったのは商品の追跡番号で確認した。

しかし、姉からは何の連絡もなかったが、受け取って食べてくれたらそれでいいと思った。

 

ところが、つい先日の事。

商品到着から大分経っている今頃になって、その姉から、ショートメールが届いた。

別件でまた怒っていた。

そのついでに、

「贈り物をしないでください。迷惑です」

という文面が添えられていた。。

そのメールを読んで、目の前が真っ暗になったのは言うまでもなく・・・

終わったとも・・・

絆が断たれたという絶望感に打ちひしがれた。

 

しかし、意外にも数日後には復活。

さすがにわたしの姉ちゃんだ。

なかなかの頑固者だ。

まあ、お互いに元気であれば特に問題なしとこれまたわたしにしては、

嘘みたいにポジティブ思考になっていった。

 

人は、人生のうちで生命に関わる事で

「助けたり助けられたり」は一生忘れないと何かで読んだ事がある。

あの時に姉に助けられたから今がある感は、

自分で思っている以上にわたしの身体の隅々まで刻み込まれたのかもしれない。

 

師も走るほどの師走の忙しい最中。

洗面所周りをいつもより少し丁寧に掃除して満足しながらそんな事を思った。

 

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