娘の夢

昨年の9月に仕事を辞め家に帰ってきた末娘。

念願であった生後一ヶ月半の柴犬ちゃんを飼い始め、初めての育犬に励む毎日だ。

毎日毎日「かわいい」を連発してそれこそ目の中に入れても痛くないほどの溺愛ぶり。

食事にしつけに訓練とスマホ片手に情報収集力のすさまじいこと。

このぐらい熱心に勉強すれば大抵の事はクリアできるのではないかと感心したり呆れたり・・・・

 

しかし、ワンちゃんと戯れてばかりも居られず、

そろそろ就職しなければと動き始めた。

やれやれだ。

 

何と言ってもワンちゃんを飼い続けるにはお金がいる。

ドッグフードにおやつにおもちゃ、シャンプー、リンス等の入浴用品、衣装等など

アレルギー体質っぽいので病院へも定期的に通っている。

良かれと思ってのサプリの購入は序の口で、生の馬肉が1キログラム家に届いた時にはびっくり仰天した。

「お母さん、馬肉や鹿肉はアレルギーを起こしにくいだって」

というから、

「なるほど」と納得する。

冷凍庫には細かく切り分けられた馬肉がぎっしりと入っている。

 

うちの家は都会でもなくかといって田舎でもない住宅地だ。

何棟もある大きなマンションも沢山あるが、

そういうところは基本ワンちゃんの出入り禁止になっている。

日々の散歩には不自由しない程度の歩道の整備はされていても、

元気なワンちゃんを思いっきり走らせる空間はない。

娘とワンちゃんの散歩圏内はかなり広く、長い時は2時間以上も帰ってこない。

聞けば一駅も二駅も向こうまで出かけているようだ。

 

「この辺ってドッグランがないんだよ」

「こんなにたくさんワンちゃんがいるのに」

「近くでドッグラン作ったら絶対に流行るよ」

「隅っこで小さなカフェみたいのがあって、そこでまったりとしながら

ワンちゃんが風を切って走るのを眺めるの」

「むちゃくちゃ広くなくてもいいからさ」

「そんなドッグランを作りたいなあ」

 

へえ~そんな事を考えているんだ。

でもね、大都会ほどではないけれど土地の値段はどこでも結構な値段するよ。

家一軒買う位の資金がいるし・・・もっとかな。

 

ん?

いや待てよ。

あそこの曲がりかどの向こうに荒れた空き地があったな。

反対側にはおんぼろもビニルハウスの放置畑もあったし・・・。

100㎡ぐらいの土地を確保できたら・・・

わたしは、その周囲をぐるっと野菜を育てたり花を植えたり。

 

妄想はとどまることを知らずに広がるばかり。

 

さて、一体いくら要る?

2000万円が3000万円か・・・

そこで現実に引き戻された。

 

うちの末娘、あまり自分の気持ちとか言わない子だ。

そんな子が、ぽつりぽつりと夢を語る。

たとえ現実的でない夢であってもそれを聞くのが案外嬉しい。

 

何をするにしても、

若さって時間を味方に出来る特権があるから。

夢は沢山持っていて欲しい。

お母さんはお金は無いが夢を応援する旗振り役になるよ。

一緒に走ろっ!

 

にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へ
にほんブログ村 ライフスタイルブログ ささやかな暮らしへ にほんブログ村 シニア日記ブログ 女性シニアへ